チームで仕事をする際連携が上手くいかない要因の1つに、イメージの共有不足が挙げられます。ある会議に全員が同席して話し合ったとしても、それぞれが同じ内容を思い浮かべられなければ、無駄な時間になってしまうでしょう。
このような場面を防ぐのに必要なのが「共通認識」の形成です。
メンバー間の共通認識ができていないと、互いの頭の中に同じ内容を思い浮かべることができず、仕事を上手く連携することができません。「なぜこの仕事をやるのか」「この仕事のゴールは何か」の認識がバラバラだと、互いが違う方向を向いて業務を進めてしまう可能性もあるでしょう。
業務を円滑に効率よく進めるためには、はじめに共通認識を形成できているかが重要です。
共通認識を形成することで、会社の方針や事業戦略に対してメンバーの理解と共感を高めることができます。仕事やプロジェクトに対する解釈にギャップがあったメンバーの認識を、正すこともできるでしょう。議論や意見交換を重ねていくうちに、組織全体の認識を一致させることができるようになります。
全員が同じ方向を向くことでプロジェクトに対する意欲や情熱が増し、エンゲージメントが高まります。
さらに、共通認識を形成し、メンバーが幅広くプロジェクトについて理解・共感できている状態だと、これまで説明や確認に費やしていた時間を短縮できます。組織全体の業務効率化を図ることにもつながります。
組織やチームにおいて共通認識を形成するには、以下の方法を取り入れると効果的です。
まずは、経営方針や事業戦略など、仕事における大きな目的をメンバー同士で話し合い、議論を重ねましょう。メンバー間で異なる解釈や考え方があればそれを明確にします。全員が共通の理解を形成するために、時間をかけてでも取り組むことが大切です。
共通認識の形成において、メンバー同士の積極的な意見交換も重要です。ミーティングなど定期的にメンバー間の意見や考えを共有する場を設け、コミュニケーションを活発に行うことで共通認識がより強固なものになっていきます。
共通認識は、大きく分けて3つの観点から検討する必要があります。
会社の経営理念やビジョンを明確にし、企業としての役割や社会的使命を理解すると同時に目的をはっきりさせる段階です。目的が明確になることで従業員の意識が向上し、自らの意見を持ち、仕事に対して積極的に行動できるようになります。
経営層と従業員の考え方が共有されて、より働きやすい環境になります。
経営陣の思いを全員がしっかりと理解し、経営層と従業員で認識を合わせる段階です。すべての従業員に経営方針や事業戦略などを分かりやすく説明し、理解や共感を高めてもらうことで、それぞれが組織の方針を「自分ごと」として捉えられるようになります。
すると、「何のためにこの仕事をするのか」といった意義を持てるようになります。従業員それぞれが「自分は何をすべきか」を認識し、使命感を持って仕事に取り組めるようになります。解釈のズレを解消するためにも、全員が納得できるまで議論を重ねて認識を形成することが大切です。
組織に対する認識や組織内での認識を明確にしても、目の前の仕事に向かっていると、「なぜこの仕事をしているのか」「何のために働いているのか」が分からなくなることがあります。仕事での共通認識を高めるには、上司や同僚とのコミュニケーションを密に取り、定期的に目的を再確認するのが効果的です。
従業員が業務を行う中で、抱えている悩みや不安を伝える場があれば気持ちは軽くなりますし、「何かあれば聞いてもらえる」という安心感も生まれます。
1人ひとりが本来の目的を見失うようなことにならないためにも、普段から気軽に話せる雰囲気づくりが大切です。