組織を運営するにあたってよく聞かれる悩みや課題と、その改善ポイントをまとめました。時代や市場に対応できる新しい組織に変えていきたいと考えている方は、参考にしてみてください。
生存者バイアスとは、成功した組織や人の経験ばかりに目を向けてしまい、その苦悩や失敗には意識を向けられないことです。
生存者バイアスはビジネスの場面でも起こり得ます。これまでに蓄積されている統計データの大半は、成功して生き残ってきた組織や企業のもの。倒産してしまった企業のデータや失敗例はそもそも蓄積されないため、成功したビジネスモデルを真似るだけでは失敗してしまう恐れがあります。
過去の成功例を学ぶことも大切ですが、ビジネスモデルを検討していくなら現在の市場を考慮しながら進めることが重要です。
全体の意欲を高めるために、共通認識を形成できるかも組織における大きな課題です。組織に特定の共通認識があると、従業員は会社の方針や事業戦略に対し同じ認識を持って仕事に取り組めるようになります。
仕事に対するモチベーションや情熱が向上し、エンゲージメントも高まるのです。また、従業員1人ひとりの解釈のギャップを埋めることができ、同じ方向性を目指すことに繋がります。
どの業界も慢性的な人手不足が続いている現代。人員の確保や若手育成が難しくなっている中で、ミドル層をどう育てていくかも生き残りに関わる重要な課題です。
社歴が長く、業務経験も長くなってきたミドル層のモチベーションを上げることができれば、不足している人材を外から採用しなくても良くなるからです。今まで活躍させてこなかった人材を活躍させるために、ミドル層にも挑戦機会を与えるなど、社内にいる人材の活性化を積極的に検討してみる必要があります。
せっかく組織変革に取り組もうと戦略を策定しても、経営層と現場との間に温度差があると上手く進めることはできません。このような乖離は、経営側が戦略を立案する過程を現場が知らないが故に起こります。
この温度差を改善するには、なぜそのような戦略や方針に至ったかを、立案した経営側が現場にしっかりと伝えることが大切です。それをもとに、現場のメンバー同士で話し合い、現場レベルでの戦略に落とし込んでいきましょう。
「戦略や方針は一部の役職だけが考えるもの」という固定概念を捨て、現場のメンバーを巻き込んでいけるかが大切です。
やる気のない社員のモチベーションの低さを放置していると、他の社員にまで伝播して現場全体のモチベーションを下げてしまう恐れがあります。やる気のない社員に気づいたらすぐに原因を探り、適切な対処を行いましょう。変化にすぐに気づくためにも、普段からのコミュニケーションは大切です。
また、明確なキャリアパスやスキルアップの機会を提供する、成果がしっかりと評価されて報酬やプロモーションに反映されるなど、育成プランや公正な評価制度があるとモチベーションは自然と高まります。
人材の離職率は業界によっても異なりますが、労働時間が不規則であったり賃金が低かったり、キャリアアップが見込めない組織や企業だと離職率が高くなる傾向にあります。
このような組織が人材の出入りを改善する方法はひとつ。離職の要因となっていることを見直すことです。
労働時間を見直す、賃金を見直すなど、社員が納得のいく条件で安心して働ける環境づくりを行いましょう。
業務の属人化とは、特定の担当者しかその業務を把握しておらず、専門的な知識・スキルを持っていない状態のことです。情報共有ができていないことや、従業員に属人化解消のメリットがない場合などは属人化の加速を促す原因になってしまいます。
業務の属人化を解消するためには、まず業務の洗い出しやマニュアル化、従業員同士のコミュニケーションを増やすことが大切です。属人化の具体的な原因や解消方法を見ていきましょう。
人間関係や労働条件の悪さなど、働く環境に不満があると人材の定着率は低くなります。ただ、労働環境は良いにも関わらず、すぐに人が辞めてしまう組織があるのも事実です。このような組織では、離職の原因を把握することからはじめましょう。
原因から課題を見出した上で必要な対策を講じていけば、人材の定着率を上げることができます。